2021/7/19

f:id:theworldofsilence:20210719220008j:plain

日記を綴るのがすこし久しぶりになってしまった。前回日記を綴ったときもちょうど準備中だったのだけど、いよいよ今週ゼミで報告をする。そのためのペーパー作りを先月から少しずつ取り組んでいて、ギリギリになったけど今日完成させて、メンバーにメールで送った。新しい場所に来て、新しく関係を築いている人たちへ自分の関心や考えていることについてきちんと話したことがなく(もちろん指導教授には話しているけど)、今回がはじめてになるから実はすごく緊張している。自分が今までやってきたことはきちんと評価されうるものなのだろうか、今考えていることは不勉強ゆえの的外れな指摘あるいは頓珍漢なことを言っているに過ぎないのではないか、「あなたのやっていることはおかしい/無意味だ/論点がわからない」と言われるのではないか。そんな一抹の不安は、どうしたって頭をよぎる。わたしはわたしの属しているゼミの人たちが好きだし、今までどんな人の報告に対しても、少なくとも徹底的な非難や傷つけるような言葉遣いはしたことがなかったから、その点において信頼しているけれど、自分がその第一号になるのではないかという恐ろしさは自分の傍にぴったりとついている。それもこれも、結局のところわたしはわたしに自信がこれっぽちもないからなんだと思う。わたしはまだわたしの関心や考え方、疑問に自信が持てないでいる。きっとほんのわずかでも地に足をつけたような議論をするためには、まだまだ勉強が足りないんだろうな。…そんなわけで、不安の方が圧倒的に大きいけど、ちゃんと練習してちゃんと報告を終えられるようにしたい。がんばろう。ちょぴーっと、ほんとにちょーっぴりだけ、どんなフィードバックをもらえるかたのしみにしている自分も一応存在しているし、なるべくいいほうに考えながら、練習する。

 

最近は研究室に住み着くようにして滞在している。何も予定がなければ週7で大学に来て、勉強したり作業したりしている。そのおかげで?同じく毎日来ている研究室の住人と顔見知りになってきた。顔見知り、というのは文字通りの意味だ。彼は留学生で日本語があまり喋れず、かたやわたしも不安定な英語しか喋れない、しかもお互いに人見知りときた。だから顔は合わせるけど、おしゃべりはほとんどしない。話すことといえば、hey! hi! good morning! bye! see ya! can i do zoom here?...et cetera...そんなもん。だけどここ最近感じているのは、たとえ別々のことをしていようと、同じような意識を持って同じ部屋で黙々と作業するというのは悪くないなってこと。なんとなく誰かの気配を感じながらいるのは、いいなと思ったりしてる。そんなことを思うのは、きっと人と話す意義、まずは集まることの大切さを感じているからかもしれない。そこで何かを始めようとしなくても、実は同じ場所に集まるだけで、静かに何かが始まっているということがある。その何かが何なのかはわからないし、わかるときが来るのかもわからないけど、わたしはとても意味があるって思っている。

 

最近母から来る電話は、父のことや日常のゴタゴタ、母がだれかに聞いてほしいと思っていることを一方的に話されるだけで、正直辟易としつつあった。とりわけ自分の精神面が安定していないときや、身体が疲れ果てているときなんかは。一昨年まで母からなにかの目的があるわけじゃなくとも「どうしてる?」って電話をくれて、くだらないけど楽しかったこと、わざわざ報告するまでもないけど話したいことを話させてくれていた。それがこの数ヶ月はめっきりない。母からの電話が来るたびに「父のことかぁ」「なんかトラブル?」って思って、出るとそのとおりだったりする。きっと今の状況からして母はしんどいし、わたしは遠くにいてなにもできないんだから話くらい聞いてあげるべきだろうって頭ではよくわかってるけど、いったいわたしはいつまで心配をしていない父の話を聞かされ続けるんだろうって思ったりする。わたしだって話したいことあるのになって思うけど、母が話したいことだけ話すと大抵母の都合がよくなくなって(人が来てしまったり、父が来たり、仕事しなきゃいけなかったり、疲れて眠くなったり)、わたしの話はたいしたことないしなって思って話さないでいてしまう。もうずいぶん話さないままにしていることがある。話を聞いてほしいだなんて子供じみた感情かな。母が大変であることを知っている分、自分のそんな感情は押し殺すべきなのかもなって思うし、母娘関係が変わるときなのかなって思ったりもする。わたしの近況はなにも気にならないのかなって思って寂しく感じたりするけど、これ以上母の負担を増やすのも嫌だし。でもいつまでも母の愚痴や悩みだけを聞くマシーンにはなれないなぁ。父のことが話題に出ないときがなくなってしまって、しんどい。申し訳ないけど、わたしは父のことなんて心配はしていないのよ。父のことを心配している母は心配だけど。だから毎度毎度父の近況を聞かされて、別にどっちでもいいよぅって内心思ってる。言わないけど。いつもいつも、家族は、特に血縁家族はしんどさの極みだなってひしひしと感じてる。もう一生分考えたから、これ以上考えたくないな。

 

家族はしんどいですけど、それ以外の生活はけっこう、いや?かなり?順調です。大学院生、大変だけどたのしいです、おかげさまで。