Monthly Reflection

 

 

【雑記】

・家族の問題を抱えながら、嫌というほどにケアについて考えている。感情も身体も存在も、すべて投げ出したくなる日が頻繁にあって疲れた。

・庭に住み着いていた猫を里親探しをしてくれるNPO法人に預けた。まだ場所に慣れる時間も必要かもしれないけど、早く素敵なおうちに迎え入れられるようにと祈っている。2匹がいなくなった後の庭はなんだかがらんとしてしまっている。寂しいけど、幸せに生きられることを願うしかないね。

・今月で姪が1歳になる。早い。

・セランさんの文章がお守りのように、ずっと心の中で流れている。大好きだ。

・来月はオンラインコンサート?があるらしい。少年団、大好き。最近あまり追えてないけど、心のよりどころだ。人との親密な関係性について考えるとき、いつだって最初に思い浮かぶのはあの7人で、ずっと憧れだ。あんなふうな関係性をわたしも築きたい。

・猫たちを施設に送り出してからというものの、1日に何度も施設のInstagramをチェックして動向を見てしまっている。2匹の里親募集の投稿のキャプションを見て、見事に性格がとらえられていて感激した。投稿についたコメントを見ながら、そうでしょそうでしょ、と思ったり。里親募集がかかる前に、そろそろ施設に慣れてくれただろうかと母が電話をしてくれたんだけど、預けた当日と翌日はキキが外を見て鳴いていたらしい。施設の人は「よくかわいがられてきたんだなと思いました」と言ってくれたけど、わたしたちがしたことが正しいことだったのか分からず、胸が張り裂けそうだった。何が正解で何が不正解なのか、誰も答えは知らないし答えはない。これが最善だったはずだと信じることしかできない。でも数日経って、少しずつ慣れてスタッフさんに甘えたり遊んだりしているようで本当にほっとした。どうか順調にずっとのおうちに巡り会えますように。

・また漫画に心をほんのすこし軽くしてもらった。

・自分の怠惰な側面にほとほと嫌になってしまうけど、毎日うまくいくことばかりではないし、いいわけしたくなる日だってあるよね、と思うことにしている。

・京都はまだまだ暑さが残るけど、それでもようやく少しずつ秋の香りや音を感じれるようになってきている。秋が一番好き。

・話せなくても書けなくても感じていることはたくさんあって、そういうものたちを蔑ろにしないための場をつくりたいと思っている。

・わたしはわたしだけの領域をとても大切に思っていて、そこへは相手が誰であっても気軽に跨いでほしくないと思っている。これはきっとある人から見ればとても冷たいことに思われるだろうとわかっている。それでもこれは自分を守るために最低限必要なことだと最近本当によく思う。

・犬や猫たちからもらう(もらってきた)ものがあまりにも多くて、わたしは到底この子たちにこの恩を返せないと日々思う。この揺るぎない信頼に何を返せるというのだろう。

・複数の意味が詰まった「おぉ、なるほど……」が思わず出てしまうことが多かった。いろんな人がいるね。

インターンに初めて参加してみて、就活クソッタレ大企業クソッタレ資本主義クソッタレと思わずクソッタレ三連発かました。

・主語が大きい話には不信感しかありません。

・大切な場所がいったん終わってしまった。よりどころがひとつ、なくなった。

・配慮をするということがどういうことなのか、考えている。

・この社会が異性との恋愛、性愛、結婚、病を患っていないこと、障がいを持たないこと、社交的であること、病まないこと…言い出せばキリがないけれど、「普通」と考えられがちなこういう要素に適合する人を中心に設計されているんだなと日々思い知らされる。「人生なかなかだわ…」と毎日言っているけど、そう思わざるを得ないでしょう。

・「わかりやすい」話へのひっかかりがずっとある。

・来月はもう少し気持ち的にも体力的にも余裕を持てるといいな。

・マスクのせいでずっと小さなにきびが治りません。みんなどうしてる?

・大好きなme and youのニュースレター。今月はしんどい瞬間が多かった分、お二人の文章が救いだった。いつも配信を密かにたのしみにしている。

・むーちゃんと急に話せる時間ができて最高に幸だった。ほんとうに信頼しているので、多くのことを共有させてもらっているのだけど、なにからなにまで丁寧に受け止めてくれて感謝の気持ちばかりが溢れる。わたしたちはきっと近くに住んでいたら週5で会っていると思う。

 

【写真】

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ようやく入ってくれた
結構高かったのだ、ももちゃんハウス

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わたしたちのアイドル、はな

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ももさん

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今月お別れしてきたキキ
素敵な里親さんに巡り会えますように!

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キキと一緒にお別れしてきたチビチビ
まだまだやんちゃなベイビー
君もいい里親さんと出会えますように

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一緒に海に行ったよ
夏の恒例になりそう

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うれしそうな顔

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zoomしてるとき、たいていここにいる
みんなには映らない

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チビ
2匹がいなくなったことで少しストレスが減ったかな?
怪我も順調に治ってきていてよかった

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とても綺麗な時間帯に海へお散歩へ行った

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きみは海がほんとうによく似合う

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鳥を追いかけたかったらしい(波苦手なくせに)

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るんるん

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9月のおわりとともに去っていってしまった場所

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9月最後のおたのしみで会えた人
一緒にいる時間が安心感で包まれている



【読書】

チョン・セラン『声をあげます』

大好きなセランさん。いつもは新刊が出るたびにすぐにむさぼるように読んでいるけれど、今回は出版されたタイミングがちょうど忙しくて読めずに積読していた。大好きな作家さんだからこそ、ちゃんと集中して読みたかった。ちょうどこの本を読んだときは、季節の変わり目で体調がよくなく布団に包まっていた。どこにも行けない状況だからこそ、どこにもない架空の世界に連れて行ってくれるセランさんの文章がとても響いた。今作は短編集で、一番古いものは初出が2010年なんだけど、まったく古さを感じないというか、まるで今の世の中を予測していたかのような物語が多かった。どの短編も大好きだと思ったけど、「リセット」「十一分の一」「七時間目」がとてもよかった。他にも『八重歯が見たい』『地球でハナだけ』、そしてずっと読んでみたいと思っていた『シソンから』も邦訳が決定しているみたいで、早く手元にやってくるといいなと思っている。

 

荻野美穂『ジェンダー化される身体』

女にとって性が次第に「語ってはならぬもの」となるにしたがって、女の性器や性欲は、女自身にとってもあたかも「存在しないもの」の如くに見なされるようになっていったのである。

 

最後に堕胎は、女が自主的に行う生殖コントロール法として重要な位置を占める。それは、ときには強いられた母性に対する命がけの抵抗ともなりうる。避妊や堕胎を行う動機としてつねに主張されるのは経済的理由であるが、家族の経済面のみに注目しすぎたことが、パンの主要な稼ぎ手である男の意思によるコントロール、すなわち膣外射精という単純的理解な傾いた一因ではあるまいか。

 

現代では産むにしても、それは女たちが好きこのんで、選択のうえで産んでいるのではないか、という苛立ちがある。でも本当にそうなんだろうか、私たちはそれほど生殖をめぐる不平等が「解決済み」の時代に生きているのだろうか、もうちょっと愚直にこの「宿命」の中身にこだわってみてもいいんじゃないか—というのが、ここでの私の話である。

 

金富子・小野沢あかね編『性暴力被害を聴く—「慰安婦」から現代の性搾取へ』

研究に関するもの。重要な視点だなと思いつつ、わたしはこのテーマの中で何をどのような場所で問いとして持ちかけられるだろうかと考えた。考えなくてはならないことはまだ多くあるのだと思う。まだ言葉として発せることばを持たないこと、自分の考えに自信が持てないこともあって、こういうパブリックな場での研究に関する安易な発言は避けたい。まずは研究として、ちゃんと声を発するように努力する。

 

橋迫瑞穂『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ

発売前から気になっていた本書。つい最近届いて、一気に読んでしまった。うなずきすぎて首もげそうだった。このテーマはわりと関心がある、というか一時期スピリチュアルに傾倒している人が周囲にたくさんいた経験があって、ずっと腑に落ちない感覚があったのだ。

本書を読みながら、もちろん妊娠出産に結びついたスピリチュアル的な言説には批判も多くあるけれど、同時にここまで一部で熱烈に受け入れられている背景には、日本社会で妊娠したいと思う女性あるいは子供を持ちたくないと思う女性が常にどう選択するのかを問われ(咎められ)続けるという現状、また母親となった女性に向けられるまなざしや負担、そういうものが今もなお課題としてあり続け、またフェミニズムもまだその課題に十分に応えられていないという問題点もあるんだなと思った。まだまだ議論を深めていかねばならないことは数多くあるのかもしれない。

妊娠・出産を選ばなかった場合は、なぜ母親になろうとしなかったのかが問われるだろう。健康の事情で妊娠・出産にまで至ることができなかった女性に対しても、世間の評価は寛容とは言えない。日本の不妊治療が世界的に見て特に盛んなのは、こうした社会的圧力と関係している。「卵子の老化」といったイデオロギーが声高に叫ばれるのも、それと同根である。 しかも、無事に妊娠・出産に至ってもそれがゴールではないし、女性として「合格」であるとの判定が得られるわけでもない。その背後には、日本社会に根強い女性差別や、育児のための社会システムの貧困、そして日本社会そのものの先行きの見えない経済的な行き詰まりがある。いずれにせよ、 日本という社会において妊娠・出産は女性の人生に負担とともに大きな変容を迫る。男性が子供を持ちながらも、仕事に専念できる人生が保証されているのと比較すると、その違いがいっそう際立ってくる。

 

 

『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』

話題になっているこの本。がっつりわたしの専門分野とかぶる箇所もあり、超入門!と謳っているこの本はどういうふうに歴史を書いているのだろうと気になってはいた。ただ、なかなか購入するまでには至っておらず…。というのも、わたしの性格が基本的にひねくれているからなんだけど。話題になればなるほど、購入するのを渋ってしまう質なので。「わかりやすく」ということにやや警戒しているのも相まって、超入門という謳い文句にもひっかかっていたのかもしれない。なので、先に読んだという学部時代の親しい友人に感想を聞き、そして悩みに悩んで購入。読みながら色々なことを思った。正直なところ、特にわたしの研究している分野に関してはわたしだったら異なる仕方や言葉で叙述をしたいななんて思ったりもしたし、やっぱりこういう見方がこの問題に関しては主流なのかなとも思ったり。モヤモヤ本にモヤモヤしてしまう側面もあって、でもそこはわたしの問いとしてこれからも学び続けようと思います。でも、第4章は本当に誠実だなと感じた。丁寧に、逃げずに、自分たちが抱えるモヤモヤに向き合い、答えがなくともきちんと考え抜こうとする姿勢が本当によく伝わってきて、そうだよね、そうだよねって会話している気分になりながら読んだ。自分たちが無意識のうちに踏みつけてしまっていたかもしれない人や事柄に対しても、「仕方がなかった」「まだ知らなかった」なんて言い訳せずに、どうしてだろうと考えて学び続けようとする誠実さが読みながらとてもよく伝わってきた。最後の参考文献を見ても皆必死に考えようとしたんだなということがひしひしと伝わってくるし、この本で扱われている問題に関心があるけど何を読んだらいいのかわからないという人はこの参考文献リストを見ながら勉強を始めるのがいいんじゃないかなとも思った。

 

ケア・コレクティヴ(岡野八代、冨岡薫、武田宏子訳)『ケア宣言—相互依存の政治へ』

小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』

今月は所属している研究科の先生たちが中心となっている研究センター主催の夏季講座を受講した。この2冊はそのときの課題本。それぞれ異なる方向からのアプローチ(もちろん重なる部分は大いにあるのだけど)でとても面白くお話を聞いていた。秋学期の授業ではケアの倫理に関する授業を取ることにしたので、授業を受けながらこれらの本をまた深く読んでいければいいな。今まで勉強したことのない分野だから、正直本をさらっと読んだだけ、一度話を聞いただけではわからない部分が多くて疑問もいくつかある。残り半期でもう少しケアに関する議論について理解を深めていきたい。

 

 

前半はぐいぐいと本を読めていたのに、家族の問題などあり、中盤からは本を読む気力と体力を失ってしまった。自分のことに集中できるのは当たり前じゃないよなと心底思った。他者の悩みを背負うことは本当に本当に重い。